連載第2回　　オリオン座 　その2
	小田原史談会 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平倉　正　記

	3階建て345席の「オリオン座」は、 横浜と並んで封切映画が観られる映画 館として市民に親しまれるほか、正月の 箱根大学駅伝の中継所となったり、NH Kのど自慢の会場になったり、話題を 呼びました。 高校生時代期末試験が終わると、友人 と連れ立ってまず中華料理店の「トロン ト」で支那ソバで腹こしらえして、二本 立ての洋画を楽しんだものです。 イタリア映画の「自転車泥棒」や昼ヽ防 備都市」などに感激しました。 昭和28年には松竹系の常設館に もなり、坂妻の「破れ太鼓」や高峰秀子 の「二十四の瞳」などを、大入りの観客 に交じって立ち見で観ながら感激した ことも懐かしい思い出です。洋画でも、 「第三の男」や「風と共に去りぬ」など の名画をここのスクリーンで楽しみ ました。	二十四の瞳　高峰秀子と子供たち
	昭和54年には、レッド、イエロー、 ブルーの三スクリーンを持つビルに建 て替えられ、「スターウォーズ」「インデ イ　ジヨーンズ」などの大作を上映し ますが、映画の斜陽が顕著になり厳しい 時代を迎え、「オリオン座」も、駅前の 「東宝館」とともに、平成15年に遂に 閉館となって、小田原市内に映画館が一 つも無くなってしまいました。	ｽﾀｰｳｵｰｽﾞ